2020~2024年 意図しないドーピング禁止物質摂取の予防を目指した教育的アプローチの開発

2020~2024年 意図しないドーピング禁止物質摂取の予防を目指した教育的アプローチの開発

https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-20K19577

研究課題/領域番号:20K19577

研究種目:若手研究

 

研究の概要

日本では、トップアスリートの多くを占める大学生のアンチ・ドーピング知識は全体的に不十分で、ドーピングの副作用等の医学的知識や体内に摂取するものに責任を持つ「アスリートの責務」への理解が乏しい状況です。意図せず禁止物質を摂取してしまう実例も生じています。実際に日本のアスリートは、薬等を使用する際に世界アンチ・ドーピング規定で禁止される物質の含有についてどの程度確認しているの化も把握されてきていません。

本研究は、大学生アスリートが薬などを使用する際の禁止物質の確認行動の実態を把握し、アスリートに必須な確認行動の促進要因と阻害要因を明らかにし、禁止物質に対する確認行動の促進を目指した教育的アプローチの方向性を見出すことを目的としています。

 

研究成果 (2023年度)

2023年度

[雑誌論文:3件]

  • 室伏由佳 (2023) 最近のアンチ・ドーピング教育と研究の動向, スポーツとサプリメント ―“Food First but Not Always Food Only”の思索―. 臨床スポーツ医学, 40:1, 50-56. (査読無)
  • Murofushi, Y., Kamihigashi, E., Kawata, Y., Yamaguchi, S., Nakamura, M., Fukamachi, H., Aono, H., Takazawa, Y., Naito, H. The Association Between Subjective Anti-Doping Knowledge and Objective Knowledge Among Japanese University Athletes: Cross-Sectional Study. Frontiers in Sports and Active Living, 5, 1210390. (IF: 2.7) (査読有) Link
  • Murofushi, Y., Kawata, Y., Nakamura, M., Yamaguchi, S., Sunamoto, S., Fukamachi, H., Aono, H., Kamihigashi, E., Takazawa, Y., Naito, H., Hurst, P. (2023). Assessing the need to use sport Supplements: the mediating role of sports supplement beliefs. Performance Enhancement & Health, (CiteScore:4.3) (査読有) Link

[図書1

  • 室伏由佳 et al. (2023) 令和5年度 日本スポーツ協会スポーツ医・科学研究報告, アンチ・ドーピング教育・啓発に関する研究, 公益財団法人日本スポーツ協会, ホクエツ印刷, 東京. (Link coming soon)

[学会発表:3件]

  • 錦織 岳, 川田裕次郎, 中村美幸, 室伏由佳. (2023) 大学生陸上競技アスリートにおける他者提供の飲食物摂取状況及び他者との薬共有の実態把握:アンチ・ドーピングの観点における一考察. 日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会, 同志社大学, 京都.
  • 室伏由佳, 川田裕次郎, 中村美幸, 錦織岳, 上東悦子, 深町花子, 青野博, 髙澤祐治, 内藤久士, 川原貴: 教育受講方式がアンチ・ドーピング知識の定着に及ぼす影響:大学生アスリートを対象としたランダム化比較試験. 第33回臨床スポーツ医学会学術集会, 横浜.
  • 錦織岳, 川田裕次郎, 中村美幸, 高澤祐治, 室伏由佳 (2023) ドーピング検査対応に向けたアンチ・ドーピング対策の実態:大学生陸上競技アスリートのインタビュー調査から. 第33回臨床スポーツ医学会学術集会, 横浜.
  • 山本宏明, 上東悦子, 室伏由佳 2023 eスポーツにおけるアンチ・ドーピング活動の導入. 第33回臨床スポーツ医学会学術集会, 横浜.

2022年度

[雑誌論文:1件]

  • Murofushi, Y., Kawata, Y., Yamaguchi, S., Nakamura, M., Takazawa, Y., Naito, H. (2022) Relationship between the level of willingness to learn about anti-doping and objective knowledge among Japanese university athletes: a cross-sectional study. Frontiers in Sports and Active Living, 4:955636. (IF: 2.7) (査読有) Link

[図書:2件]

  • 室伏由佳 (2022) 臨スポOPINION: オリンピアンのキャリアとスポーツ医学に望むもの~アンチ・ドーピング教育研究、スポーツ障害、婦人科疾患経験を通して~. 臨床スポーツ医学, 39:9, 1002-1004, 東京.
  • 室伏由佳et al. (2022) 令和4年度 日本スポーツ協会スポーツ医・科学研究報告 学生アスリートを対象としたアンチ・ドーピング教育 プログラム開発のための基礎研究 -第3報-, 公益財団法人日本スポーツ協会, ホクエツ印刷, 東京. Link

[学会発表:3件]

  • 室伏由佳 (2022) アンチ・ドーピングに関する研究の動向~教育に関する国際基準(ISE)施行とこれからの教育を考える~. 第33回臨床スポーツ医学会学術集会, 札幌.
  • 室伏由佳, 川田裕次郎, 山口慎史, 中村美幸, 高澤祐治, 内藤久士 (2022) サプリメントに関するドーピングの注意喚起映像がサプリメントに対する信念に及ぼす影響:大学生アスリートを対象としたランダム化比較試験, 第33回臨床スポーツ医学会学術集会, 札幌.
  • 根本大輝, 川田裕次郎, 室伏由佳 (2022) 学生陸上競技アスリートにおける実力発揮を狙いとしたカフェインの摂取状況と主観的効果, 日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会, 千葉.

 

2021年度

[図書:2件]

  • 室伏由佳 (2021) 健康スポーツ50講, 第6章 スポーツと社会、第9節 スポーツとアンチ・ドーピング. 保健理論・体育理論(改訂版), 中央大学保健体育研究所40周年出版事業委員会編,惠友印刷会社, 東京. Link
  • 室伏由佳et al. (2021) 令和3年度 日本スポーツ協会スポーツ医・科学研究報告 学生アスリートを対象としたアンチ・ドーピング教育 プログラム開発のための基礎研究 -第2報-, 公益財団法人日本スポーツ協会, ホクエツ印刷, 東京. Link

[学会発表:3件]

  • Murofushi, Y., Kamihigashi, E., Kawata, Y., Yamaguchi, S., Takazawa, Y., Naito, (2021) Reality of Subjective and Actual Anti-doping Knowledge among Japanese University Athletes, ISSP 14th World Congress. Sport Psychology.
  • 室伏由佳, 上東悦子, 川田裕次郎, 中村美幸, 野栗立成, 山口慎史, 髙澤祐治, 内藤久士 (2021) 大学生アスリートのアンチ・ドーピング教育経験カテゴリーと教育提供者の実態調査, 第32回臨床スポーツ医学会学術集会, 東京.
  • 砂本沙織, 室伏由佳, 川田 裕次郎, 高澤祐治 (2021) スポーツファーマシストと薬剤師におけるアンチ・ドーピング知識の比較:アスリートサポートを推進するための基礎調査, 第32回臨床スポーツ医学会学術集会, 東京.

 

2020年度

[雑誌論文:5件]

  • 室伏由佳 (2020) アスリートへの投薬とアンチ・ドーピング, アスリートの腰痛と保存療法―ピットフォールに陥らないための秘訣―, 臨床スポーツ医学, 37:9, 2-6.
  • 西良浩一, 室伏由佳 (2020) スポーツの価値を護るアンチ・ドーピングにむけた取り組みと対策, 特集編集 序文. 臨床スポーツ医学, 37:12.
  • 室伏由佳 (2020) スポーツの価値を護るアンチ・ドーピングにむけた取り組みと対策, 2021年からのアンチ・ドーピング-Code改定と未来のスポーツを考える-, 臨床スポーツ医学, 37:12, 1358-1363.
  • 室伏由佳 (2020) アンチ・ドーピング教育-教育に係る国際基準(ISE)の策定と教育の方向性, 2021年からのアンチ・ドーピング-Code改定と未来のスポーツを考える-, 臨床スポーツ医学, 37:12, 1436-1443.
  • 室伏由佳 (2020) スポーツとアンチ・ドーピング, 未来に向けて. 日本臨床スポーツ医学会30周年記念誌, 日本臨床スポーツ医学会. 28(Suppl), 201.

[学会発表:4件]

  • Murofushi, Y., Kawata, Y., Nakamura, M., Noguri, R., Yamaguchi, S., Takazawa, Y., Hirosawa, M., Shibata, N. (2020) Effect of grit on the confirmation behavior toward banned substances among Japanese university athletes, 2020 Yokohama Sport Conference, Yokohama, Japan.
  • Murofushi, Y., Kamihigashi, E., Kawata, Y., Yamaguchi, S., Takazawa, Y., Naito, (2020) Drug / Supplement Use and Confirming Behavior of Prohibited Substances in Japanese University Athletes and Ordinary Students, 25th annual Congress of the European College of Sport Science.
  • 室伏由佳, 川田裕次郎, 髙澤祐治, 広沢正孝, 柴田展人. 日本人大学生アスリートにおけるアンチ・ドーピング教育経験がサプリメント使用時の禁止物質確認行動に及ぼす影響, 第75回 日本体力医学会大会, 鹿児島.
  • 室伏由佳, 川田裕次郎, 中村美幸, 野栗立成, 山口慎史, 髙澤祐治, 広沢正孝, 柴田展人. アンチ・ドーピング教育経験が薬使用時の禁止物質確認行動に及ぼす影響:日本人大学生アスリートの実態, 第31回臨床スポーツ医学会学術集会, 宮崎.
2020~2024年 意図しないドーピング禁止物質摂取の予防を目指した教育的アプローチの開発

2023~2025年 サプリメントによるドーピング違反を予防するための教育教材開発とガイドラインの策定

https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-23K16725

研究課題/領域番号: 23K16725

研究種目:若手研究

 

研究の概要

日本のアスリートは、海外アスリートと比較してドーピング禁止物質を意図的に用いるような違反は極めて少ないです。一方で、サプリメント等、栄養補助食品へのドーピング禁止物質の混入 (汚染)による違反が大学生年代も含め相次いでいます。栄養補助食品は法律上、全含有成分の表記の義務はありません。このように、違反のリスクがあるにもかかわらずサプリメントを使用する意志や信念にはどのような背景があるのでしょうか。本研究は、アスリートのサプリメント使用によるドーピング違反リスクの認識、サプリメントに対する信念、使用意思の決定に及ぼす影響を明らかにし、ドーピング違反を予防するためのガイドラインの策定、教育プログラムの開発を目指します。

 

研究成果 (2023年度)

2023年度

[雑誌論文:3件]

  • 室伏由佳 (2023) 最近のアンチ・ドーピング教育と研究の動向, スポーツとサプリメント ―“Food First but Not Always Food Only”の思索―. 臨床スポーツ医学, 40:1, 50-56. (査読無)
  • Murofushi, Y., Kamihigashi, E., Kawata, Y., Yamaguchi, S., Nakamura, M., Fukamachi, H., Aono, H., Takazawa, Y., Naito, H. The Association Between Subjective Anti-Doping Knowledge and Objective Knowledge Among Japanese University Athletes: Cross-Sectional Study. Frontiers in Sports and Active Living, 5, 1210390. (IF: 2.7) (査読有) Link
  • Murofushi, Y., Kawata, Y., Nakamura, M., Yamaguchi, S., Sunamoto, S., Fukamachi, H., Aono, H., Kamihigashi, E., Takazawa, Y., Naito, H., Hurst, P. (2023). Assessing the need to use sport Supplements: the mediating role of sports supplement beliefs. Performance Enhancement & Health, (CiteScore:4.3) (査読有) Link

[図書1

  • 室伏由佳 et al. (2023) 令和5年度 日本スポーツ協会スポーツ医・科学研究報告, アンチ・ドーピング教育・啓発に関する研究, 公益財団法人日本スポーツ協会, ホクエツ印刷, 東京. (Link coming soon)

[学会発表:3件]

  • 錦織 岳, 川田裕次郎, 中村美幸, 室伏由佳. (2023) 大学生陸上競技アスリートにおける他者提供の飲食物摂取状況及び他者との薬共有の実態把握:アンチ・ドーピングの観点における一考察. 日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会, 同志社大学, 京都.
  • 室伏由佳, 川田裕次郎, 中村美幸, 錦織岳, 上東悦子, 深町花子, 青野博, 髙澤祐治, 内藤久士, 川原貴: 教育受講方式がアンチ・ドーピング知識の定着に及ぼす影響:大学生アスリートを対象としたランダム化比較試験. 第33回臨床スポーツ医学会学術集会, 横浜.
  • 錦織岳, 川田裕次郎, 中村美幸, 高澤祐治, 室伏由佳 (2023) ドーピング検査対応に向けたアンチ・ドーピング対策の実態:大学生陸上競技アスリートのインタビュー調査から. 第33回臨床スポーツ医学会学術集会, 横浜.
  • 山本宏明, 上東悦子, 室伏由佳 2023 eスポーツにおけるアンチ・ドーピング活動の導入. 第33回臨床スポーツ医学会学術集会, 横浜.